米国産「生鮮すもも」が今年6月に輸入解禁となったのに、農協やスモモ農家など関係者に情報が届いていないことが明らかになり、地元山形のスモモ農家の方や農協から「なぜこんなことになったのか‼」と怒りの声が届きました。
米国産「生鮮すもも」が今年6月に輸入解禁となったのに、農協やスモモ農家など関係者に情報が届いていないことが明らかになり、地元山形のスモモ農家の方や農協から「なぜこんなことになったのか‼」と怒りの声が届きました。
(以下の8/29「日本農業新聞」にも報道)
山形県は全国でも有数のスモモ産地で、農水省の方のお話だと昨年2020年は全国4位の生産量。
以下、農水省の方から電話で説明をいただきました。この米国産生鮮すももの輸入解禁は、いわゆる「TPP」ではなく病害虫対策の「SPS協定」(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)に基づくもの。トランプ政権時の2017年(平成29年)に米国政府からカリフォルニア州産生鮮スモモ(プラム)の輸入解禁の要請があり、害虫コドリン蛾の検疫をめぐって日米協議が進められてきました。
日米協議が今年2021年6月にまとまり、政府が発行する「官報」に輸入解禁方針とその条件(※)が発表されました。
この際にJA全中(全国農業協同組合中央会)やスモモ生産農家には農水省から連絡や説明はなし。6月下旬に農水省がオンライン公聴会を行ったときにもJA全中やスモモ生産農家へのヒアリングなし。特に連絡はしなかったのだという⁉️
法律の上では農協や生産者に伝える「義務」はないということですが、農水省と農業者が「二人三脚」で農政を進めてきた歴史からみて、あまりにもおかしく、意図的⁉️
今後同様のことがあった場合に同じことを繰り返さないよう丁寧な説明に努めます、ということでした。
農水省の方のお話では、くん蒸にかかる費用と航空便にかかるコストを考えれば、輸入されるのはカリフォルニア産の「ソルダム(高級スモモ)」くらいで、しかも過去にも一度輸入されたことがあったが全然国内で売れなかったことを考えれば「国内市場はほとんど影響を受けないだろう」ということでした。コストを抑えるために船便で送ろうにも、熟したスモモの日持ちは1週間程度なので、アメリカから船便(2週間程度かかる)で日本に届くころには傷んで売れ物にならないということです。
ちなみに乾燥スモモの輸入は「害虫の心配なし」ということですでに解禁されています。
ただ、農水省の方の言う通りだとしても、アメリカ以外の国でも生鮮スモモを日本に輸出しようと考える国が今後あるかもしれません。
そうでなくてもTPPなどにより輸入農畜産品が八百屋や肉屋、スーパーの店頭に並ぶ毎日。
私たちの国の「食」を守るために、政府の「生産者軽視」の姿勢は変えさせなければなりません‼
※条件 農作物の輸出入の際によく使われるくん蒸剤「臭化メチル」を用い、くん蒸スペース1㎥あたりくん蒸剤48g、温度摂氏20度以上で2時間以上という条件で「くん蒸時間×くん蒸剤÷容積≧72.1」を満たすようにくん蒸を行う場合に限り、輸入を認めるということになったということです。(くん蒸剤の残留濃度は20ppm以下)
農家の方は「くん蒸」をご存知の方も多いと思いますが、いわゆる「バルサン」のように、密閉した空間などで薬品の入った気体で害虫を殺すイメージです(ただし、くん蒸剤の成分はバルサンとは全く違います)。
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